こんにちは、ぱるかです^^

愛犬が他人を噛んでケガを負わせてしまった場合、賠償はどこまでしなくてはならないのでしょうか?

後遺症の可能性がある場合など、どこまで賠償しなくてはいけないのでしょうか?

後遺症が生じたケースでは、総額2000万円以上の損害を認めた裁判例があります。

具体例をあげてみます。

愛犬が他人を噛んでケガ…賠償はどこまで?

民法により、加害者が賠償しなくてはいけない範囲は、社会的に見て加害行為に対して相当の範囲(相当因果関係*があるもの)に限られます。

愛犬が、他人を噛んだり、物をこわしてしまったりしたときは、治療費や慰謝料、壊した物の財産価値を損害として賠償しなくてはなりません。

故意または過失でも、他人に不利益を与えた場合、損害を賠償する責任があります。

具体的にあげてみます。

[民法709条]  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を
侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

[民法416条]  債務不履行に基づく損害賠償請求の効果

* 相当因果関係とは、簡単に言うと、一般人の感覚からして、常識的に
考えられる損害のことです。

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犬の咬傷事件 賠償の具体例・・・1.治療費

ケガを負わせてしまったときの治療費、入院費、入院雑費、通院のための交通費、診断書作成のための費用は、通常、噛まれたことにより生じる損害です。

また、ケガによって仕事を休んだ場合、休業損害も生じます。

相当因果関係*があるので、これらは支払わなくてはなりません。

* 相当因果関係とは、簡単に言うと、一般人の感覚からして、常識的に考えられる損害のことです。

犬の咬傷事件 具体例…2.後遺症が残った時の損害

後遺症が原因で、不利益が生じる場合も損害を賠償しなくてはならない可能性があります。

ケガの程度によっては、大きな傷跡、しびれ、麻痺が残るケースがあります。

このような後遺症があるケースでは、後遺症を理由とする慰謝料や受けた不利益について、相当因果関係のある損害として、損害を賠償しなくてはならない可能性がありあります。

後遺症を負ったことによって、事故が起きる前の仕事をすることができなくなり収入が減少することを” 免失利益”*といいます。

子供でも将来的にできるはずの仕事ができなくなった場合は、法に定められている等級に応じた金額を賠償しなければなりません。

更には、損害賠償を求める訴訟を起こされた場合には、その弁護士費用も認められた賠償額の1割程度を賠償しなくてはなりません。

実際に、散歩中の犬が被害者に衝突し、被害者が転倒して骨折等のケガを負い、頭痛や顎の関節痛などの症状、噛み合せ不全、腕の可動域の減少といった後遺症が生じたケースでは、総額2000万円以上の損害を認めた裁判例があります。(後遺障害認定は10級が認定されました)

* 免失利益については、自動車損害賠償補償法施工例の別表に定められている「後遺障害別等級表」に準じています。

犬の咬傷事件 具体例…3.物を壊したりした場合

愛犬が、人の物を壊してしまったときは、事故が起きたときの財産的価値を損害として賠償しなくてはなりません。

例えば、被害者のかばんを噛みちぎり壊してしまった…と言うケースでは、かばんの時価相当額が損害になると考えられ賠償することになります。

犬の咬傷事件 具体例…4.慰謝料

犬に噛まれたことにより、被害者が被った精神的苦痛への慰謝料も相当因果関係のある損害と認定され、支払うことになります。

この場合、ケガを負ったことによる精神的苦痛、通院についての精神的苦痛、後遺症がある場合の精神的苦痛、すべてに慰謝料が発生すると考えられます。

 

被害者にも事故の責任がある場合

愛犬が他人をケガさせてしまった場合でも、被害者に事故が起きる原因となる過失があったと認められれば、”過失相殺”*によって、損害額が減少されます。

例えば、きちんとつながれている犬に被害者が危害を加えたために噛まれたような場合や、被害者から犬に近づきかまっているときに噛まれたような場合は、被害者にも事故発生の責任が認められ、”過失相殺” *
となります。

* 過失相殺とは、民法により、損害賠償額を計算するときに、被害者にも原因があった場合、損害の公平な分担という観点から、賠償額が減額されることがあります。

…過失相殺はよほどのことが無い限り、認められるケースが少ないようです。

●今回のまとめ

後遺症が残るのは外傷だけではないので、被害者の方にしたら精神的苦痛も賠償請求される可能性があります。

どんなときも、愛犬が他人を噛んだりしないよう外飼いでれば環境を整えたり、お散歩中に吠えだしたり噛みついたりしないよう、しつけておくことが何よりも大事なのだと思います。


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