こんにちは、ぱるかです^^

日本国内での犬の咬傷事件は、届けられているだけで年間2万とか3万あり、届けられていない事故も含めれば年間10万件にもなるかもしれないそうです。

これは先日、愛犬を連れて動物病院に行ったときに獣医さんから聞いた話です。

その数の多さに驚いてしまったのですが、もし愛犬が他人に噛みついた場合飼い主の責任はどうなるのでしょうか。また、賠償はどうなるのでしょうか。調べてみたのでUPします。

犬の飼い主の責任になり、賠償しなくてはなりません「動物の占有者」

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少し難しい話しになりますが、飼い主の不法行為責任*というものが民法に規定されています。また、原則として飼い主には被害者の損害を賠償する責任を負うと民法に規定されています。

これは原則として、噛みつかれケガをした被害者に、治療費や慰謝料を支払わなくてはならないということになります。

原則として…というのは、飼い主が犬を飼うにあたり、危険なことが起きないように十分な注意義務を尽くしていた場合は、飼い主が責任を負わなくてもいい場合があります。

・・・とはいえ、裁判では、この十分な注意義務を尽くしていたとして免責されることはほとんどないのが現状です。

事実上、無過失責任*に近い判定になっています。

これは、犬の飼い主の責任になり、賠償しなくてはならないということです。

賠償しなければならないのは、ケガの治療費や慰謝料などがあります。

不法行為責任とは、故意、過失によって他人の権利を侵害し、これによって他人に損害を生じさせたことに基づく責任のことです。
あなたの犬が、他人にケガをさせてしまったということは、他人の体を侵害したことになります。

無過失責任とは、損害が発生した時に、加害者に故意、過失がなくても責任を負わせることです。

[民法718条1項] 飼い主の「動物の占有者」としての責任

犬の飼い主が、相当な注意をしていたと認められるケースとは

民法には、動物に種類、性質を考慮して十分な注意を払い管理した時は、飼い主は責任を負わなくていいという規定があります。

例えば、リードを短く持ち犬を散歩させていたとします。

通行人から犬に近づき、飼い主が「噛むかもしれないから、手を出さないでください」「それ以上近づかないでください」と何度も忠告し、犬を後方へ引き寄せました。

それでも通行人が犬のことを小突いたりたたいたりしたことで手を噛まれた場合などです(犬は防衛のため噛んだ)

裁判ではほとんど認められていないのが現状ですが、このような場合には十分な注意をしたと認められるのではないかと思います。

[民法718条1項] 飼い主の「動物の占有者」としての責任・・・ただし書き

ケガをした人(被害者)に、過失があると認められるケース

被害者にも過失が認められるケースがあります。

例えば、ある人(Aさんとします)が、どこかの家(B家)の門につながれている犬に近づき、その犬が怒ってAさんを噛んだとします。

通行人が容易に近づける家の門に犬をつないでいるので、飼い主に責任が生じます。被害者の損害に対する賠償をしなくてはなりません。

しかし、Aさんが酔った勢いで犬にイタズラをし、驚いた犬が威嚇のために噛みついたとすれば、その噛みつきの原因は、被害者にもあります。

この場合、過失相殺*が認められます。

被害者に40%の過失があるとすれば、損害賠償額について、加害者は60%だけ支払えばよいことになります。

過失相殺とは、民法により、損害賠償額を計算するときに、被害者にも原因があった場合、損害の公平な分担という観点から、賠償額が減額されることがあります。

[民法722条2項] 被害者に過失がある場合の過失相殺

 

●今回のまとめ

法律の用語って難しいですね。特に民法は明治の時代に施工されたものだから、読むのも一苦労です。

愛犬が他人に噛みつき、ケガを負わせてしまった…とすると、裁判沙汰になるケースも少なくないようです。そうならないためにも、日ごろから愛犬のしつけや住環境の管理など怠らないことが第一なんだと思いました。


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