こんにちは、ぱるかです。

スティーブン・ブディアンスキー著犬の科学 ほんとうの性格・行動・歴史を知る】を読んでみました。

この書籍が日本語翻訳され、初版は2004年2月なので、古い情報となっている部分もあるかもしれませんが、以前から読みたいと思っていました。

今回は、この本を読んで感じたことなどアップしてみます。

犬という動物を科学的に見ると、けっこうがっかりさせられることも…

著者は犬の専門家ではないけれど、科学雑誌ネイチャー編集部などの経験をもつ科学者です。

一文でこの本の感想を述べるなら、

「犬という動物を科学的な目で見て理解しようとすると、人間が人間の常識に当てはめて解釈してきた犬とは全く違う解釈になり、生物学的に科学的に考えるとがっかりさせられる。

しかしながら、科学の目で見て犬という動物を知った時には、ほんとうの意味で愛犬の素晴らしさを理解することができ、飼い主も愛犬も幸せになれる・・・」

そんな感じでしょうか。

残念に感じたのは、翻訳者の方は犬があまり好きでないのか、言葉のチョイスに愛が感じられなかったことです。翻訳された文章もイマイチで、最後まで読みましたが、途中は読み続けるのがストレスでした。

…とは言っても、内容は通説としてあった人間視点の犬の生態などではなく、多くの研究者が行ってきた犬の様々な研究結果などをまとめられたものでした。著者自身は犬が大好きと書いていますが、科学的にクールに犬という動物を分析しています。

犬にとって何が一番のご褒美になるかおいうことや、これまでには語られていなかった科学の目で分析した犬が起こす様々な行動の動機や感情などは、がっかりさせらることもありつつも、興味深く読むことができました。

また、”最後に” 書かれた著者からの「犬の何もかもを愛してやまない人々へ」という手紙風のまとめは、著者の伝えたかったことがまとめられ、「なるほど…」と、感じられる愛情深いものでした。

犬は犬、人は人

人間の希望どおりに犬が振る舞わないからといって、落胆するのはフェアではない。

“最後に” の中に出てくる文章です。

犬好きさんは、どうしても愛犬を人間のように見てしまうことがあります。犬は人と同じように感情が豊かであったり、成犬になっても幼児のように甘えてきたり。悪いことをして叱られればシュンとしてしまったり・・・

そのため、犬という全く違う生き物なのに、人間に理解できる方法だけど犬には理解できない方法でしつけをしてしまうことがある。

しつけだけでなく、犬の行動ひとつひとつを人間の常識をあてはめて読み解こうとします。

著者は、「犬の問題行動の多くは、犬という動物を人間が人間を解釈するときの価値観で犬の行動を解釈するから、トラブルが起きる。犬には犬の優れた能力があり、それは人とは違うもの。真の友であれば、相手を理解し受け入れること…あるがままの犬を偏見なく認めることである・・・」と言っています。

犬を擬人化してはいけない…とか、言われていることですが、本書を読むとその科学的根拠がわかります。

犬と人は共に暮らしているけれど、犬が観察し見ている世界と認識は人とは違う…改めて大切なことを思い出させてくれました。

犬という動物を科学的な観点からも理解すれば、愛犬も飼い主さんも穏やかで豊かな生活が送れるようになるのだと思います。

まとめ

このブログを書くようになり、しつけに関する書籍だけでなく犬という動物に関する本も読むようになりました。そのたびに、愛犬との関係性を考えさせられ、その尊さに気付かされます。

この「犬の科学」も良かったですが、科学は日進月歩に進むもの、また新たな研究結果が収録されている書籍も出ているでしょう。しつけに関する本だけでなく、こういった内容の書籍を読んでみるのもいいと思います。

犬という動物は知れば知るほど、かわいくて賢くて、愛おしい存在です


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